なぜパテックフィリップは「資産価値」が高いのか?
2025.09.17
時を超えて輝く資産 ― パテックフィリップの魅力とその未来
「パテックフィリップを所有することは、ただの時計を買うのではなく、世代を超えて受け継がれる遺産を手にすることだ」と言われる。この言葉の通り、パテックフィリップは単なる高級時計ブランドを超え、資産としての時計という概念を世に広めた存在でもある。
■ なぜパテックフィリップは「資産価値」が高いのか?
1. 極端な供給制限と希少性
パテックフィリップは、年にわずか6万〜7万本程度しか生産していない。しかもその多くが手作業で作られ、完成までに数年を要するモデルもある。需要に対して供給が著しく少ないため、新品を正規で手に入れるのは極めて困難。この希少性こそが、中古市場での価格維持、さらには高騰を生む根源だ。
2. 歴史と信頼のブランド力
1839年創業という長い歴史の中で、王室や有名人、起業家など数多くの著名人に愛され続けてきた。そのストーリーと実績が「時計=消費財」ではなく、「時計=投資資産」としての価値を確立している。
3. リセール市場の圧倒的強さ
特に「ノーチラス」や「アクアノート」といったスポーツモデルは、中古価格が新品定価を大きく上回る。モデルやリファレンスによっては、数年で2倍、3倍に跳ね上がることもある。この価格推移が「資産としての時計」に拍車をかけている。
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■ 今後、パテックフィリップの価値はどうなる?
では、このトレンドは未来永劫続くのだろうか?
ポジティブな見通し
• ブランドが量産体制に入らない限り、供給は限定され続け、希少価値は高まる。
• 世界的に富裕層が増加傾向にあり、「時計を資産として持つ」層の裾野が拡大。
• 経済の不確実性の中で、インフレに強い「実物資産」としての時計は、今後も注目され続ける可能性が高い。
リスク要因も無視できない
• 2020年代前半のような「投機的熱狂」が再燃すれば、バブル的な値上がりと反動下落もあり得る。
• パテック自身が意図せず生産数を増やしてしまう、あるいは中古市場が飽和するような展開があれば、価格の安定性は揺らぐ可能性がある。
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■ 結論:投資か、情熱か、それとも伝統か
パテックフィリップが高い資産価値を保っている背景には、職人技術・ブランド哲学・市場心理の三位一体がある。今後もその価値は簡単には揺らがないだろう。しかし、投資対象として見るのか、それとも情熱や伝統の象徴として見るのかは、所有者次第。
いずれにしても、手にした瞬間から「ただの時計」ではなくなる。それが、パテックフィリップという存在の特別さなのだ。