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2025.06.11
モアサナイトとは、もともと天然で発見された鉱物でありながら、現在は主に人工的に生成された宝石として流通しています。ダイヤモンドに似た美しさを持っていますが、「安っぽく見えないか」「偽物だと思われないか」と不安に感じる方も少なくありません。
この記事では、モアサナイトの特徴や魅力、価格相場や資産価値まで詳しく解説します。どんな人に向いているかや選び方のコツもご紹介するので、ジュエリー選びで迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
モアサナイトとは?
モアサナイトは、1893年にフランスの科学者アンリ・モアッサンによって、隕石の衝突跡から発見された非常に希少な鉱物です。当初はダイヤモンドと間違われるほど見た目が似ていましたが、実際には炭素とケイ素が結合した「炭化ケイ素(SiC)」という別の物質で、新種の宝石としてモアッサンの名にちなんで命名されました。
天然のモアサナイトは極めて産出量が少ないため、市場に流通している宝石は人工的に合成されたものです。人工合成は1998年に商業化され、2015年にアメリカでの製造特許が切れたことをきっかけに、世界中で生産が拡大し、注目を集めるようになりました。
モアサナイトはダイヤモンドに次ぐ高い硬度を持ち、研磨剤や半導体基板など工業用途にも利用されています。その一方で、美しい輝きと手に取りやすい価格から、近年はジュエリーとしての人気も高まっています。
モアサナイトの意味・石言葉
モアサナイトには、美しい輝きだけでなく、前向きな意味が込められています。石言葉としては「成功」「繁栄」がよく知られ、身につける人の意志を強め、夢や目標の達成を後押しする宝石です。
そのほかにも、「富」や「不安・恐怖に打ち勝つ勇気」といった意味を持ち、「困難に立ち向かい願望を実現する幸運の石」として語られることもあります。
また、宇宙由来の鉱物であることから「星からの贈り物」とも称され、持ち主に希望と勇気を与えてくれる神秘的な宝石とされています。
モアサナイトは美しい見た目だけでなく、実用面や社会的な観点でも多くの魅力があります。ここでは、モアサナイトをジュエリーとして選ぶ魅力をご紹介します。
モアサナイトの最大の魅力は、その圧倒的な輝きにあります。モアサナイトの光の分散度はダイヤモンドの約2.5倍に達し、光を虹色に分解する力が非常に高いのが特徴です。
太陽光やスポットライトの下では、虹のような鮮やかな閃光を放ち、見る人の目を引きます。モアサナイトは屈折率も2.65〜2.69と高く、約2.42のダイヤモンドよりも複雑に光を屈折させ、強く華やかに輝くのが魅力です。
こうした特性から、「ダイヤモンド以上に輝く宝石」とも称され、遠くからでも存在感を放つ美しさが支持されています。
モアサナイトは、価格の面でも大きな魅力があります。一般的に、同サイズのダイヤモンドと比べて価格は約10分の1とされ、1カラット相当のリングも数万円台で手に入ることがあります。
価格を抑えながら大粒の石を選べるため、予算に限りがある場合でも理想のデザインが実現しやすくなるのが魅力です。コストパフォーマンスに優れたモアサナイトは、「大きくて美しい宝石を気軽に楽しみたい」という願いに応える選択肢です。
モアサナイトは、硬度と靭性の両面で優れた耐久性を持つ宝石です。モース硬度は9.25と非常に高く、日常生活で傷がつく心配はほとんどありません。
さらに、ダイヤモンドにある「劈開(割れやすさ)」がモアサナイトにはなく、構造的に割れにくいため衝撃にも強いとされています。このため、モアサナイトは日常使いのジュエリーに適しており、婚約指輪や結婚指輪にも安心して選ばれています。
モアサナイトは、扱いやすさの面でも優れた特性を持つ宝石です。モアサナイトは皮脂や油分がつきにくく、ダイヤモンドより曇りにくいため、普段使いでも輝きを保ちやすいとされています。
特別なケアは必要なく、柔らかい布で拭う程度でもよいでしょう。汚れが気になる場合は、一般的なクリーニング方法や超音波洗浄器も使用できます。日々のメンテナンスが簡単な点は、普段使いのジュエリーとして大きな魅力です。
モアサナイトは、環境や社会に配慮したジュエリーを選びたい人にもぴったりの宝石です。天然ダイヤモンドには、採掘による環境破壊や紛争資金の問題などがあると指摘されています。
一方、モアサナイトはラボで製造されるため、そうした問題を伴いません。環境負荷も非常に小さいことから、「エシカルジュエリー」として注目されています。実際に、海外では婚約指輪として選ばれる例も増えています。
モアサナイトの見分け方
モアサナイトはダイヤモンドと見た目がよく似ていますが、専用の道具を使えば判別できます。もっとも確実なのは「モアサナイトテスター」と呼ばれる電子機器で、数万円程度で市販もされています。
また、屈折率を測る方法もあり、モアサナイトは約2.65〜2.69、ダイヤモンドは約2.42と数値に違いがあります。ルーペで見ると、モアサナイトは光の影響でカット面の輪郭がぼやけ、二重に見えることがあるのが特徴です。ただし最近は、そうした特徴が目立たないようなカットも増えており、肉眼では見分けにくくなっています。
確実に知りたい場合は、宝石鑑別機関での判定を依頼するのが安心です。
モアサナイトは、安っぽく見えることもバレる心配も少なく、美しさと機能性を兼ね備えた優れた宝石です。ダイヤモンドに匹敵する輝きや高い耐久性がありながら、価格が手頃で環境にも配慮された選択肢として注目されています。
ただし、資産価値や知名度の点では注意が必要です。見た目や価値だけでなく、自分の考え方や使い方に合うかを見極めて、納得のいくジュエリー選びをしてみてください。