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2024.11.27
光学的特徴や物理的特性といった科学的な面から見ても、合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドは同じ物質です。
両者の差は「工場で作るか」「自然の中で生まれるか」の違いだけです。
合成ダイヤモンドは、屈折率・硬度・比重などの特性が天然ダイヤモンドと全く同じため、科学的には「偽のダイヤモンド」と呼ぶのは適切ではありません。
むしろ、合成ダイヤモンドはその品質においても天然ダイヤモンドに劣るものではなく、同等の美しさを持つものとして評価されています。
しかし、合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドには大きな差もあります。
合成ダイヤモンドが工場で数週間かけて作るのに対して、天然ダイヤモンドは地球の深部で、数百万年から数十億年の年月をかけて生成されます。
この違いが、合成と天然の見分け方や価値の差につながっています。
天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドの特性を詳しく比較し、それぞれを見分ける方法について解説していきます。
合成ダイヤモンド | 天然ダイヤモンド | 人造キュービックジルコニア | |
---|---|---|---|
化学組成 | C(炭素) | C(炭素) | ZrO2 |
結晶系 | 立方晶系 | 立方晶系 | 立方晶系 |
屈折率 | 2.417 | 2.417 | 2.15 |
比重 | 3.52 | 3.52 | 5.80 |
硬度 | 10 | 10 | 8.5 |
上記の表は、合成ダイヤモンド、天然ダイヤモンド、そして人造キュービックジルコニアの基本特性を比較したものです。
人造キュービックジルコニアと比べると、合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドは全く同じ特性を持っていることがわかります。
しかし、基本的な特性に差がなくても、両者には明確な違いがいくつか存在します。
その一つが原石の形状です。天然ダイヤモンドの原石は、主に八面体や十二面体になることが多いです。
一方、合成ダイヤモンドの原石は、八面体と六面体が組み合わさった形や、平板状になります。
原石の形が異なる理由は、それぞれが形成される環境に違いがあるためです。
合成ダイヤモンドの表記は、ジュエリーや宝石に関するさまざまなガイドラインを制定している 一般社団法人日本ジュエリー協会(JJA)により制定されています。
JJAによると、合成ダイヤモンドの呼称および表記方法は、日本語で「合成ダイヤモンド」、英語で「synthetic diamond」と定められています。
ところが、実際には合成ダイヤモンドはさまざまな呼び方で流通しています。
最もよく使われる呼称は「ラボグロウンダイヤモンド」です。
他にも「養殖ダイヤモンド」「人工ダイヤモンド」「シンセティックダイヤモンド」などの呼び方があります。
これらは全て合成ダイヤモンドのことを意味しています。
合成ダイヤモンドも確かに「ダイヤモンド」としての特徴を持っていますが、天然ダイヤモンドとは価値の面で大きく異なります。この違いについては記事の後半で詳しく触れていますので、ぜひご確認ください。合成と天然を混同しないためにも、誤解を招くような名称には注意が必要です。
1797年、イギリスの化学者が天然ダイヤモンドの構造を解明し、世界中で合成ダイヤモンドの研究が始まりました。
しかし、当時の技術では製造に必要な環境を再現できず、約150年間、成功しない時代が続きました。
そして、1954年にゼネラルエレクトリック(GE)社が工業用合成ダイヤモンドの製造に成功し、翌年発表しました。
また、スウェーデンのASEA社も1953年、旧ソ連の研究者は1956年に合成ダイヤモンドの製造に成功しました。
当初は宝石には適さない小さく低品質なダイヤモンドが主流でしたが、技術進歩により1990年代から宝石用が流通しはじめ、現在では消費者が天然・合成を選べるようになっています。
基本的な特性が同じであっても、成長環境に違いがあれば、必ずどこかに差が生まれます。
合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドを見分ける際には、この「違い」が活用されます。
たとえば、鑑別に有効な方法の一つとして、ダイヤモンドの成長履歴を観察するカソードルミネッセンス法(CL法)があります。
合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドでは成長過程が異なるため、ダイヤモンドに残された成長履歴を見ることで両者を区別できるのです。
このように、合成と天然を見分けるためには、専門的な道具と深い知識を持つプロの目が不可欠です。
簡単な方法で見分けることは難しいため、合成と天然を見分けたい場合は、専門家による鑑定が必要となります。
合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドは、見た目だけではほとんど見分けがつかず、肉眼での判断は困難です。両者を区別するには、特別な道具と専門的な知識が必要です。
また、一部の合成ダイヤモンドには、天然に見せかける加工が施されていることもあります。
大切な資産を正確に評価するためにも、合成か天然かの見極めは、私たちのような専門家に依頼することをおすすめします。
宝石として市場に流通している合成ダイヤモンドは、「高温高圧法(HPHT法)」と「化学気相蒸着法(CVD法)」のどちらかの方法で作られます。
この2つの方法は製造環境が全く異なるため、完成したダイヤモンドにはそれぞれ特有の特徴が現れます。
こうした違いを見極めるためにも、合成ダイヤモンドが成長した環境を知ることは非常に重要です。
合成ダイヤモンドの製造方法と、それぞれの特徴について見ていきましょう。
HPHT法(High Pressure and High Temperature)は、天然ダイヤモンドが生成される地球の「マントル」内部に似た高温・高圧環境を再現してダイヤモンドを作る方法です。
約900~1300℃、45~46キロバール(kbar)という環境で生成されるため、HPHT法で作られたダイヤモンドは天然に近い構造と見た目を持ちますが、青味がかった色合いやわずかな不純物が含まれることがあります。
この方法は、天然ダイヤモンドの色を変える処理にも利用されています。
CVD法(Chemical Vapor Deposition)は、炭素を含むガスを種結晶に吹き付けて蒸着させ、ダイヤモンドを合成する方法です。
高い圧力が不要なため、小型の装置で製造が可能です。CVD法で作られたダイヤモンドは、基本的に無色で不純物が少なく、透明度が高い点が特徴です。
以前は成長速度や厚みの制限がありましたが、技術の進歩により、現在では大きな結晶も比較的短時間で生成できるようになり、宝石市場でも広く流通しています。
合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドに比べて安価ですが、果たして資産価値はあるのでしょうか。
合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの資産価値をそれぞれ見ていきましょう。
合成ダイヤモンドの価値は、2024年現在、過去8年間で約80%も価格が低下しており、今後も数か月ごとにさらに下がる可能性があります。
合成ダイヤモンドは供給が安定しており、価格も比較的低いため、長期的な価値の上昇は期待しにくいと言えます。
しかし、環境負荷を抑えながら少ないエネルギーで生産できるなど、アクセサリーとして楽しむという観点で注目が集まっています
安定した品質でありながらも、美しいダイヤモンドが手頃な価格で手に入れられる点が合成ダイヤモンドの魅力です。
合成ダイヤモンドは、宝石としての資産価値が期待できないとされています。
工場で大量生産が可能で、技術の進歩により価格も下がり続けるため、工業品に近い性質を持っています。
今後も価格低下が続けば、いずれは人造キュービックジルコニアや他のダイヤモンド類似石のような価格帯に落ちる可能性もあります。
資産価値を求めるなら、選ぶべきは買取需要のある天然ダイヤモンドです。「おたからや」では最新の参考買取相場をご案内しています。
合成ダイヤモンドは、資産ではなくアクセサリーとして楽しむための石といえるでしょう。
合成ダイヤモンドの価格は、ダイヤモンド業界内でも不安視されるほどに下落しています。
また、世界の市場と比べて国内の合成ダイヤモンド普及率は低く、まだまだ正しい知識が消費者に根付いていません。
だからこそ、どのようなダイヤモンドもまずは専門知識のあるプロに査定依頼する必要があるのです。